糖尿病の薬で体重が減って血糖が良くなる?

2016年06月20日

糖尿病の新しい内服薬が約2年前から使われています。SGLT2阻害薬といわれるものです。余分な糖を尿と一緒に体(血液)から出して、血糖をさげる薬です。薬の作用機序から考えると、腎機能が悪い方以外は、確実に血糖を下げることができます。余計な糖分が体から出て行くので従来より体重を減らすことが期待できます。ただし、糖を排出するために尿量が増えますので脱水に注意が必要です。特に夏場はより多く水分をとらなくてはいけません。尿路感染・性器感染・皮膚症状・脳梗塞も出ることがあります。1型糖尿病や2型糖尿病で血糖コントロールが悪すぎる人は、糖尿病性ケトアシドーシスという重症な副作用を引き起こすことがあるので使えません。

当院でもSGLT2阻害薬を飲む方が徐々に増えています。ほとんど効かなかったり、軽い副作用が出た方もいますが、おおむね血糖コントロールが改善し、体重も減る方が多いです。『今までなかなか体重が減らなかったのに、体重がへったのが非常にうれしい』という方もいます。良い結果が出るとさらにやる気が出て食事・運動をがんばるという相乗効果が得られるようです。内服が可能な方に副作用に充分注意しながら投与していますが、ためしたい患者さんは相談してください。