甲状腺機能低下症と妊娠
2015年03月06日
甲状腺機能低下症は不妊や流産・早産の原因になることがあります。不妊症で訪れた産婦人科での採血で甲状腺機能低下症を認め、当院を訪れる方が最近増えています。
甲状腺機能低下症は一般的に冷え・皮膚乾燥・眠気・疲れやすいなどの症状があります。しかし潜在的甲状腺機能低下症といわれる軽度の低下症の場合、基本的にはほとんど症状はありません。ただし橋本病の場合は甲状腺が腫れていることもあります。採血しないと診断がつかないことも多いです。採血データでは、FT3:FT4という甲状腺ホルモン値が下がって、TSHという甲状腺刺激ホルモンが上昇します。潜在的甲状腺機能低下症ではTSHは上昇し、FT3:FT4は正常範囲内です。
もし妊娠希望で甲状腺機能低下(潜在的も含む)を指摘された場合、内分泌(甲状腺)専門医に受診し通院しましょう。適切な量の甲状腺ホルモン剤を注意深く内服すれば、症状もなくなり妊娠に関しても支障がなくなります。副作用もありません。なお婦人科での造影検査や一部の薬・昆布のとりすぎなどで甲状腺機能に影響することもありますので注意が必要です。