インフルエンザの検査・治療について
2012年01月17日
インフルエンザの患者さんが2012年に入り当院でも増えてきました。インフルエンザでは38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛など全身の症状が突然現れます。併せて普通の風邪と同じように、のどの痛み、鼻汁、咳などの症状も見られます。小児ではまれに急性脳症を、高齢者や免疫力の低下している人では肺炎を併発する等、重症になることがあります。予防注射には重症化を防ぐ効果は大きいのですが、発症自体を予防することはできません。診断は迅速診断キットを用いて鼻腔からの滲出液を調べると15分程度でつきますが、発症後24時間以内の場合は診断がつかないことも多いです。治療薬としては、抗インフルエンザウイルス薬(リン酸オセルタミビル:商品名タミフル、ザナミビル水和物:商品名リレンザ、塩酸アマンタジン:商品名シンメトレル、ペラミビル水和物:商品名ラピアクタ、ラニナミビルオクタン酸エステル水和物:商品名イナビル等)があります。抗インフルエンザウイルス薬を適切な時期(発症から48時間以内)に開始すると、発熱期間は通常1~2日間短縮され、ウイルス排泄量も減少します。なお、症状が出てから2日(48時間)以降に開始した場合、十分な効果は期待できません。かかったかな?と思われた場合は早めに診断をつけて薬を飲んだほうが無難です。ただし確定診断をつけたい場合は、熱が出たばかりだと診断がつかないので半日(できれば24時間)たってからの来院をおすすめします。